「ここに、食べられるパンあるよ」って言いたくて。
アレルギー対応のパン工場を作って、今年で15年目になります。
2012年の春に工場が動き出してから今日まで、卵・乳製品・ナッツ類を工場の中に持ち込まずにパンを作ってきました。
原材料に「使っていません」ではなく、そもそも建物の中に入れない。
そう決めてしまうと、本当は作ることもできるパンに、制限がかかってしまいます。
あんなパンやこんなパンが作れたらなぁと思うことは、正直、何度もありました。
それでも、不安の原因はできるかぎり遠ざけたい。
その一点だけで、ずっと一貫して守っています。

「ここに、食べられるパンあるよ」って言いたい
そこまで制限をしてまでパンを作っているのは、どうしても言いたいことがあるからです。
「食べられない」と言われ続けてきた子に、「ここに食べられるパン、あるよ」って。
しかも、2種類とか3種類ではなく。
学校の給食で出ているようなパンも、全部あるよって言いたいんです。
食べられるパンが1つ見つかった、で終わりにしたくない。
今日はどれにしようかなって、迷ってほしいんです。

自分だけ違うものを、食べなくていい
アレルギーがあると、選択肢が限られています。
給食の時間、みんなはパンを食べているのに、うちの子だけは別のもの。
その狭くなった選択肢を、少しでも広げたい。
自分だけ違うものを食べるのではなく、みんなと一緒に、同じように選べる。
同じように食べられる。
それが実現すれば、子どもたちが笑顔になる。
そして、その姿を見たご家族も笑顔になる。
この二重の笑顔が、tontonの目指しているところだからです。
だから極論、パンじゃなくてもよかったんです。
ケーキでもお菓子でもよかった。
でも、トントンはパンしか作れないから…笑
(クッキーやラスクは、少しだけ作っていますが)

細くてもいいから、長く
ここ最近の物価高と人件費の高騰で、ずいぶんと経営も厳しくなっています。
それでも、このパンをなくしてはいけないと心から感じています。
少しずつ増やしてきた「食べられるパン」が、ある日ふっと無くなってしまったら。
そう考えると、やっぱり続けるしかないなと思うんです。
細くてもいいから、長く続けられるように。
これからもスタッフ一同、みんなで美味しいパンを作っていきますね。

