どこを切っても「65」。焼けました。
先週、こんなお話をしました。
「創業65周年の記念品に、どこを切っても金太郎飴みたいに『65』が出てくる食パンを作れるでしょうか」
地元の自動車販売会社さまからいただいた、これまでtontonが経験したことがないご相談です。
できるかどうか分からないけれど、やってみます。
tonton食パン生地と、沖縄黒糖パン生地
使ったのは、いつものtonton食パンの生地と、沖縄黒糖の生地です。
白い生地と、茶色い生地。
この2色を、狙ったところに「65」が出るように織り込んでいきます。

言葉にすると簡単なのですが、パン生地は焼くと膨らみます。
膨らむということは、仕込んだ形も一緒に動くということです。
どこまで動くのかは、焼いてみるまで分かりません。
焼けました!


……どうでしょうか。
「65」なのか、微妙なところです。
見えるといえば見えるし、見えないといえば見えない。
正直言って…パン職人としては納得のいく出来ではない…
誰が見ても「65!」って認知できる断面にしたかった…
うーん、と腕を組んでしまいました。
ところが…
せっかく焼いたので、ご相談くださったお客様に写真をお送りしてみたんです。
そうしたら、こう返ってきました。
「すごい!65になってる!これでいきましょう!」
……いいんですか(笑)
作った本人が渋い顔をしているのに、お客様は喜んでくださってる…(^_^;)
「どこを切っても」を成立させるために
はじめは記念品なので、1斤のブロックで提案していました。
でも、それだと「65」がかろうじて見える断面の食パンと、「65」が裏返しになった断面の食パンができてしまいます。
想定外…作る前に想定できるだろ!(笑)
金太郎飴のように、どこを切っても出てくる。
その面白さを味わっていただくには、こちらで切ってからお届けしたほうがいい。
そう考えて、5枚切りのスライスにしました。

一枚めくるたびに「65」。
もう一枚めくっても「65」。
そういう見え方になりました。
受け取る方を、選ばないように
オーダーの特注品ですが、中身はいつものtontonの食パンです。
卵・乳・ナッツは使っていませんし、工場にも持ち込んでいません。
無添加であることも変えていません。
65周年のお祝いの席で、みなさんに配られるパンです。
その中にアレルギーのあるお子さんがいたとして、その子だけ受け取れない。
そういう場面が生まれないほうが、お祝いとしてきっといい。
記念品って、そういうものだと思います。
次はもっと、きれいに
白い生地と黒糖の生地のバランスを調整すれば、もう少しはっきり「65」が出るはず。
端から端まで、金太郎飴のように。
次に作るときは、誰が見ても「65!」ってわかるように。



こういうオーダーメイドの食パン、面白いですね。
周年記念や、卒園のお祝いや、そういう場面でお渡しするパン。
こんなご相談をもっといただけたら、頭をひねるのが楽しくなりそうです。
まずは目の前の「65」を、きちんと仕上げなければ!
