卵アレルギーとパン屋さん
食物アレルギーで、一番多いのが「卵アレルギー」
最近、本当によく伺うようになりました。
卵はとても便利な食材。
食べ物を美味しそうな色にしたり、風味を良くしたり、卵黄は水と油を仲良くさせる乳化剤の役割になります。
卵白は泡立ててケーキをふんわりさせたり、つなぎの役割をしたり、増量剤として使われます。
加工食品にとって、なくてはならない原材料のため、使われることが多い食材です。
【アレルギーの原因食物】厚生労働省「食品のアレルギー表示について」 より出典
卵アレルギーとは?
主な抗原(アレルゲン)は卵白の「オボアルブミン」「オボムコイド」というタンパク質です。
症状はアトピー性皮膚炎、じんましん、下痢、嘔吐、気管支ぜんそくが特徴とされています。
ひどくなるとアナフィラキシーショックを起こすこともあります。
人によって「オボアルブミン」に反応しやすい人、「オボムコイド」に反応しやすい人、両方同じくらい反応する人がいます。
「オボアルブミン」は60℃くらいで固まってタンパク質が変質しますが、「オボムコイド」は100度で1分加熱しても固まらず、消化酵素にも強いと言われています。
しっかりと固茹でしたゆで卵は食べられるけど、加熱が甘いとアレルギー反応が出る方は、「オボアルブミン」に反応している可能性が高いです。
卵アレルギーは成人よりも乳幼児に多く見られ、成長とともに減少していくとも言われています。
加工食品としては、パン、ケーキ、プリン、お菓子類練り製品(はんぺん、かまぼこ、ちくわ、すり身など)のつなぎ、トンカツ、コロッケなどの揚げ物ラーメンなどの麺類。
平成14年4月より加工食品にアレルギー症状を引き起こす物質を表示する制度が始まりました。
卵アレルギーだからといって、鶏肉も食べられないというわけではありません。
同じ「卵」とつきますが、魚卵アレルギーとも異なります。(違うタンパク質)
卵は栄養価の高い食べ物ではありますが、卵の栄養素は卵にしか含まれないわけではないので、他の食品から栄養素を補うことが可能です。
肉、魚、大豆などからバランスよく食生活を送れば、卵を食べなくても栄養面や成長面で気にすることはないと思います。
麻疹、おたふく風疹(3日はしか)インフルエンザなどの予防接種に卵が利用されている物があります。
また、卵白から抽出した「リゾチーム塩酸塩」を使用した市販薬(風邪薬、うがい薬、歯槽膿漏薬)がありますので、注意が必要です。
アレルギーの程度により見解が変わるようですので、詳しくは主治医の先生にご相談ください。
バランスが取れた完全食品の卵。アレルギーを発症する可能性があるのが残念です。
使い勝手のいい卵とパンの関係
クッキーやビスケットには卵をたくさん配合することが多いので、卵独特の味を感じることができ、パンの上にかかっているクッキー生地、メロンパンの皮は卵の味を強く感じます。
クッキー生地やメロンパンの皮の生地の基本的な配合は、小麦粉、砂糖、卵、油脂(バターまたはマーガリン)になります。
このメロンパン、クッキーの部分がカリッとしてておいしそう~
また、ほとんどの惣菜パンにはマヨネーズがかかっています。
食パンは卵を使っていない物を見かけますが、菓子パン、惣菜パンで卵を使わないというのは、なかなか難しいですね。
おいしそうな黄色の生地になってツヤもよくなり、菓子パン、惣菜パンに塗って焼くとテカリがでて、いかにもおいしそうです。
パンのツヤ出しは、通常卵が使われています。
でも、アレルギーっ子もふわふわの菓子パンや惣菜パンを食べたいですよね。
特に、メロンパンやウインナーパンは憧れのパン。
卵は乳製品と違い、比較的パンから抜きやすいです。
なぜなら、パン生地の必須原材料ではないから。
それでも、菓子パン生地、惣菜パン生地に卵を配合しているパン屋は多いと思います。
お近くのパン屋さんにお願いすると、卵を使っていない菓子パンや惣菜パンを作ってくれるかも知れません。
いつも通われているパン屋さんがありましたら、一度相談されたらと思います。
tontonのコラム
アレルギーについて