カシューナッツ、2025年度中にアレルギー表示義務化へ。ピスタチオも推奨品目に。

消費者庁は、特にアレルギー症状を引き起こしやすいカシューナッツについて、2025年度中に加工食品へのアレルギー表示を義務付けることを決定しました。
ピスタチオも表示が推奨されるようになります。
アレルギー表示義務、カシューナッツを追加 消費者庁 | 日本経済新聞
なぜ今、カシューナッツ?背景には消費量の増加と深刻なアレルギー被害
近年、健康志向の高まりでナッツ類の消費が急増。
手軽でおいしいナッツですが、アレルギーを持つ人にとっては深刻な問題です。
2023年の調査では、食物アレルギーの原因として木の実類は鶏卵に次いで2番目に多く、全体の約4分の1を占めました。
木の実類の中でも、くるみが最も多いものの、カシューナッツによるアレルギー発症例は2020年の前回調査からなんと6割も増加。
アナフィラキシーショックといった命に関わる重篤なケースも37件報告されています。
ピスタチオも同様に症例が2.2倍に増えています。
このような状況を受け、これまでくるみ(2023年義務化)、マカダミアナッツ(2024年推奨)に続き、カシューナッツとピスタチオへの対策が強化されることになりました。
食品表示のミスが多発!事業者はもちろん、消費者も自衛を
実は、アレルギー表示に関する商品の自主回収は後を絶ちません。
2021年6月からの約3年半で2800件を超え、その半数以上が表示ミスによるもの。
「ラベルの貼り間違い」が最も多く、事業者のより一層の注意が求められています。
消費者庁は「アレルギーは命に関わる問題。事業者は表示チェックを徹底してほしい」と強く呼びかけています。
tontonも気をつけないと…
「推奨」じゃ伝わらない!アレルギー表示
【アレルギー表示義務のある特定原材料】
卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・えび・かに・くるみの8品目
これに「特定原材料に準ずるもの」だったカシューナッツが加わる予定です。
「特定原材料に準ずるもの」というのが曲者で、表示義務はなく、できる限り表示することが推奨されています。
理由は、特定原材料と比較して発症数や重篤な症例数が少ないためとのことですが…
【特定原材料に準ずるもの】
アーモンド・あわび・いか・いくら・さけ・さば・オレンジ・バナナ・キウイフルーツ・もも・りんご・ごま・大豆・牛肉・鶏肉・豚肉・マカダミアナッツ・やまいも・ゼラチン(ピスタチオは2025年度予定)
「特定原材料に準ずるもの」は任意表示なので、表示するかどうかはメーカー判断。
これがなんとも分かりづらい…
「特定原材料と比較して発症数や重篤な症例数が少ない」とはいえ、表示されていないと困る方が多くいらっしゃると肌で感じます。
tontonでは「特定原材料」と「特定原材料に準ずるもの」すべてを表示しています
アレルギー対応パンを製造販売している身なのですべて表示していますが、8品目表示も28品目表示も対して労力は変わらないので…
いっそのこと、すべて「表示義務にしたらいいのに」と思うのは私だけ?
表示するかしないかを製造メーカーに委ねるとなると、消費者は「使っているけど表示されていない」のか、「本当に使っていないのか」が分かりづらく買い物も一苦労されているのではないでしょうか?
いろいろなところに配慮しすぎる結果、消費者に分かりづらくなっては本末転倒です。
もっとシンプルに、「なんのためのアレルギー表示なのか?」を見直す必要があると思います。